// Auto Mix
キックとベースを自動でミックスする方法
位相、音量、サイドチェイン、低域のモノラル化、安全なピークを、自分のループに合わせて数秒で設定。ミッドベースとスタブも追加できます。まずは聴いてください。

短い答え
キックとベースを自動でミックスするには、Kick & Bass Auto Mixをキックとベースに1つずつ挿し、大事な小節を選んでAUTO MIXを押します。ループを測って、音量、サブだけのサイドチェイン、音色、低域のモノラル化、拍ごとの位相、−1dBTPの上限を設定します。
要点
- ワンクリックで音量、サイドチェイン、音色、モノラル化、位相をループから設定します。
- まったく違う3つのループが同じ場所に着地しました。キックはベースより約3dB上、合計は−11dBFS前後です。
- 追加の2つ、ミッドベースとスタブは、自分のベースのノートから作られます。
// やり方
3ステップ、ワンクリック、追加が2つ
キックとベースの自動ミックスの全体を、プラグインの読み込みからWAVの書き出しまで。
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ステップ 01
キックにKICK、ベースにBASS
トラックごとに1つずつ挿します。KICK側はレイテンシーなし。BASS側が両方を聴いてミックスを担当します。
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ステップ 02
小節を選んでAUTO MIXを押す
1、2、4小節をループさせてAUTO MIXを押します。拍ごとに測定し、数秒で結果が出ます。
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ステップ 03
比べてから、WAVをドラッグ
A/Bを切り替え、AMOUNTを調整するか、Xで取り消します。気に入ったら、処理済みのキックとベースをプロジェクトへドラッグします。
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追加ステップ
BASS TEXTURESでミッドベースを足す
TEXTURES ONにすると、ウェーブテーブルのボイスがベースのノートに追従し、モノラルのサブの上に広いミッドベースを重ねます。サイコロでも、自分で作り込んでも。
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追加ステップ
ベースラインに沿ったスタブを足す
STABS ONにすると、ベースのノートから短いヒットを作り、グルーヴに混ぜてキックでダッキングします。パターン、密度、ボイシングを変えられます。
拍ごとの位相、レベル、サブだけのサイドチェイン、モノラルの低域。すべてループからワンクリックで設定します。
プラグインを見るキックはしっかり鳴っていて、ベースも気持ちよく転がっている。それなのに、2つを一緒に鳴らすと完成した曲の音になりません。ゲインステージング、サイドチェインのコンプ、サブへのEQ、位相の確認、リミッター。これで一晩かかることもあります。あるいは、プラグインにループを測ってもらい、数秒で全部設定してから、結果を残すかどうかを耳で決めることもできます。
この記事では、3つのセッション(サイケトランス、ハイテク・ミニマル、テクノ)の実際の数値、何がどう変わったか、操作の手順、そして整った低域を厚みのある低域に変える2つの追加レイヤーを紹介します。
実際の3つのループで比べるビフォー・アフター
以下は、ワンクリックの後にプラグインが表示した数値そのままです。そのあと手直しはしていません。出発点はばらばらでも、目標は同じです。キックはベースより約3dB上、2つの合計は−11dBFS前後、拍ごとにキックの居場所があり、ピークは−1dBTP未満です。
ハイテク・ミニマル、125BPM、2小節

ベースがキックより大きく(KICK-BASS −2.5dB)、合計も−8.3dBFSと熱すぎました。プラグインはキックを0.95dB、ベースを3.45dB下げました。これでキックが3dB上になり、ヘッドルームが3.6dB空きました。ベースはキックの下で動いているので、位相はほぼ拍ごとに変わりました。73°、3°、131°、131°、−1°、−126°、−8°、−126°です。
| ハイテク・ミニマル | 処理前 | 処理後 |
|---|---|---|
| SCORE | 61 | 81 |
| KICK-BASS | −2.5dB | +3.0dB |
| LEVEL | −8.3dBFS | −11.9dBFS |
| GAP(処理後) | −10.4dB | |
| PEAK(処理後) | −1.5dBTP | |
| 拍ごとの位相(処理後) | 7つの拍がそれぞれ別の角度 | |
サイケトランス、142BPM、1小節

こちらは逆の問題です。転がるベースに対してキックが上に出すぎていました。プラグインはベースを3.57dB、キックを0.89dB上げ、KICK-BASSは+3.5dBに。サブには−2dBのゆるいシェルフがかかりました。どの拍も同じ121°の回転になったのは、キックの下でベースが毎回同じパターンを繰り返しているからです。
| サイケトランス | 処理前 | 処理後 |
|---|---|---|
| SCORE | 62 | 78 |
| KICK-BASS | +6.5dB | +3.5dB |
| LEVEL | −11.9dBFS | −11.0dBFS |
| GAP(処理後) | −9.1dB | |
| PEAK(処理後) | −2.7dBTP | |
| 拍ごとの位相(処理後) | 4拍すべて121° | |
テクノ、125BPM、2小節

3つの中で最も低いSCOREからのスタートです。ベースがキックより上にあり、合計も熱すぎました。AUTO MIXの後はキックが3dB上になり、合計は−11.5dBFSまで下がりました。4つの拍が独自の位相角(115°、28°、0°、−8°)を持ち、残りの拍は共通の角度になりました。
| テクノ | 処理前 | 処理後 |
|---|---|---|
| SCORE | 43 | 76 |
| KICK-BASS | −2.5dB | +3.0dB |
| LEVEL | −8.3dBFS | −11.5dBFS |
| GAP(処理後) | −6.3dB | |
| PEAK(処理後) | −1.5dBTP | |
| 拍ごとの位相(処理後) | 4つの拍が独自の角度 | |
// 聴いてみる
3つのループの処理前と処理後
再生して処理前と処理後を切り替えてください。処理後はAUTO MIXに、BASS TEXTURESのミッドベースのレイヤーを足したものです。どちらも同じマスターチェーンを通しているので、全体の音量ではなく低域を聴いてください。
キックとベースを自動でミックスすると何が設定されるか
Kick & Bass Auto Mixは、選んだ小節を聴いて6つの項目を設定します。すべて自分自身の処理を通したレンダーで測るので、数値は実際に聴こえる音をそのまま表しています。
- 音量。キックはベースより約3dB RMS上(許容範囲は2.5〜4dB)、キックとベースの合計は−11dBFS RMS前後に収まります。各トラックは鳴っている部分だけを測るので、音と音の間の無音にメーターがだまされることはありません。
- サイドチェイン。キックのたびに下がるのは130Hz以下のベースだけで、深さは0〜24dBです。ダッキングは描いたカーブではなく実際のキックの信号に追従し、リリースはテンポに同期します。130Hzより上のベースは音量を保つので、グルーヴはしっかり聴こえたままです。
- 音色。キックとベースに同じ小さなローシェルフ、サブとベース上部のバランス調整(最大±3dB)、そしてキックの超低域のゴロつきが明らかに大きすぎる場合だけ、30Hzのハイパス(ローカット)をかけます。
- 低域のモノラル化。120Hz以下のベースにステレオ成分があれば、その部分をモノラルにまとめます。キックはそのままです。
- 拍ごとの位相。キックごとにベースの位相を個別に回転させます。タイミングはずらしません。詳しくは位相ズレを自動補正|キックとベースを1拍ごとにで解説しています。
- ピークの上限。キック、ベース、その合計は−1dBTP以下に保たれます。必要ならピークを軽くソフトクリップし、それでも足りなければ、上限を超えるかわりに目標より低い音量にとどめます。
何よりも優先される安全ルールが2つあります。どの拍も、音量をそろえた元のトラックより1.5dB以上多く打ち消し合ってはいけません(キックの下の30〜150Hz)。そして、元の音より良い結果が出なければ、何も変えません。
キックとベースを自動でミックスする手順
1. キックにKICK、ベースにBASS
キックのチャンネルに1つ挿してKICKを選びます。こちらはレイテンシーを加えません。ベースのチャンネルに2つ目を挿してBASSを選びます。こちらが両方のトラックを聴いてミックスを担当し、約80msのレイテンシーを加えます。この分はDAWが把握して補正します。できればオーディオトラックで作業してください(MIDIのシンセは先にバウンス)。プラグインの前段でレイテンシーが発生する場合は、その合計をPRE-LATENCYに入力します。
2. 小節を選んでAUTO MIXを押す
ドロップと同じようにキックとベースが鳴っている部分をループさせ、1、2、4小節のどれかを選んでAUTO MIXを押します。プラグインがその小節を聴き、拍ごとに分析して、数秒で結果を適用します。
3. 聴いて比べ、残すか元に戻すか決める
再生してA/Bを切り替えます。キックのトラックは同じ拍で切り替わるので、同じ条件で比べられます。効果を弱めたいならAMOUNTを下げます。まったく要らなければ、AUTO MIXボタンのXで取り消し、元の設定に戻せます。
// 動画で見る
実際のループでミックス全体を見る
このガイドの設定を1本の動画で紹介します。AUTO MIX、SCORE、BASS TEXTURES、STABS、書き出しを、サイケとテクノのループで見せています。

キックとベースをワンクリックでミックス(位相・音量・サイドチェイン)|Kick & Bass Auto Mix VST3/AU
追加ステップ:ミッドベースとスタブを足す
キックとベースが整うと、さらに2つのタブが使えるようになります。どちらも任意ですが、整った低域が厚みのある低域に変わるのはここです。どちらもベースのノートを読み取るので、足した音は曲のキーとタイミングから外れません。
BASS TEXTURES:ノートに追従するミッドベースのレイヤー
TEXTURES ONにすると、ベースのノートとベロシティに合わせて、ステップごとにウェーブテーブルのボイスがベースの上で鳴ります。このレイヤーは上が広く下がモノラルなので、モノラルのサブに触れずに広がりを足せます。鳴っている間は、場所を空けるために元のベースの130Hzより上が下がります。サイコロで新しい音を出すことも、自分で作り込むこともできます。
- WAVE:オシレーターの波形(SAW、SQUARE、SUPER、FM、SPECTRAL、FOLD)。WT POSでウェーブテーブルの位置を動かします。
- FILTER、AUTO、LFO:明るさ、音がひとりでに動く量、そしてフィルターやウェーブテーブル位置に送れるLFO。
- NOISEとDIRT:上に乗せる粒立ちと空気感。
- DIMENSION、REVERB、WIDTH:空間とステレオの広がり。
- GATE、DUCK、LEVEL:各ノートの長さ、キックの下でどれだけ下がるか、レイヤーの音量。
- PANとOCT:ステレオ上の位置と、鳴らすオクターブ。
テクノのループにミッドベースのレイヤーを足した例です。下のキックとベースは同じです。

STABS:ベースラインから作る短いヒット
STABS ONにすると、ベースのノートから短いスタブを書き出し、グルーヴに混ぜます。VOICINGでオクターブか5度を選び、OCTAVEで音域、DENSITYでノートの増減を決めます。スタブには専用のDUCKがあるので、キックと一緒に呼吸します。STABS ONの横のサイコロはスタブのレイヤーを丸ごと作り直し(パターン、波形、音色)、PATTERNのサイコロはスタブが鳴る位置だけを変えます。

すべてを別々のレイヤーで書き出す
結果が気に入ったら、処理済みのキックとベースを32ビット浮動小数点のWAVとしてプラグインからドラッグします。分析した小節の長さに切り出されています。この2つを並べれば、プラグインなしで同じミックスが再現できます。テクスチャー付きのベースとスタブも同じように書き出せるので、CPUを節約したり、ステムを誰かに送ったり、そのまま曲作りを続けたりできます。
SCOREの読み方
AUTO MIXの後、画面には各数値の処理前と処理後が表示されます。緑はリファレンスの範囲内という意味です。
| 表示 | わかること |
|---|---|
| SCORE | 0〜100。低域の8つの測定値を、プロのクラブ向けループで測ったリファレンス範囲と比べた平均です。100はすべての測定値が範囲内という意味です。 |
| KICK-BASS | キックがベースよりどれだけ大きいか(RMS、dB)。目標は約+3dB。 |
| LEVEL | キックとベースの合計(RMS)。目標は−11dBFS。 |
| GAP | キック直後にサブがベースの平常時からどれだけ下がるか。サイドチェインがキックのために空けるスペースです。 |
| PEAK | 結果のトゥルーピーク。−1dBTP以下に保たれます。 |
| RELEASE | サイドチェインのリリース(拍単位)。サイドチェインがかかったときに表示されます。 |
SCOREは目安であって、曲の採点ではありません。キックとベースの関係が、完成したクラブトラックによくある位置にあるかどうかを示すものです。最後に決めるのは自分の耳です。
AMOUNTとA/B:判断は自分の耳で
AMOUNTは、AUTO MIX全体をどれだけ聴かせるかを0%(元のキックとベース)から100%まで決めます。音量、サイドチェイン、音色、モノラル化、位相をまとめて調整します。曲に対して少し整いすぎていると感じたら、60〜70%にして元のキャラクターを一部残してみてください。
A/Bは元の音(BEFORE)とミックス後(AFTER)を切り替えます。キックのトラックは同じ拍で切り替わります。音量をそろえ、ソロのループだけでなく曲全体の中で聴いてください。
AUTO MIXの後も微調整できます。位相のつまみと拍のバーで、回転を全体または1拍ずつ変えられます。DUCKINGは、聴こえるポンピング効果が欲しいときに、ベース全体へLFO風の手動ポンピングを加えます。AUTO MIXがDUCKINGを勝手に設定することはありません。
// 手動 vs ワンクリック
手作業 vs AUTO MIX
| 手動 | ワンクリック | |
|---|---|---|
| 音量 | フェーダーとメーター、耳で確認 | キックはベースより約3dB上、合計は−11dBFS前後 |
| サイドチェイン | ルーティング、コンプ、耳で決めるリリース | サブだけ(130Hz以下)、実際のキックで駆動、リリースはテンポ同期 |
| 位相 | 逆相、または固定の位相回転 | 拍ごとに回転、ずれは0ms |
| モノラルとピーク | ユーティリティ系プラグインとリミッター | 120Hz以下のベースをモノラルに、すべて−1dBTP以下 |
| 1ループあたりの時間 | 30分から一晩まで | 数秒 |
| コントロール | すべて手作業 | AMOUNT、A/B、拍ごとの調整、取り消し |
自動処理が向いていないケース
- 歪みが狙いのとき。キックとベースをぶつけ合わせたい場合(ハードテクノや一部のインダストリアル系)、きれいなバランスがまさに欲しかったものを消してしまうことがあります。
- ベースをキックとぶつけたいとき。わざとベースをキックに押しつけることで成り立つグルーヴもあります。AMOUNTを下げるか、使わないでください。
- 音程がぶつかっているとき。キックの余韻がベースラインと半音ずれていると、音量や位相の調整では救えません。先にキックをチューニングしてください。
- 曲の一部しか分析していないとき。拍ごとの位相は分析した小節に適用され、曲の残りには最も多い設定が使われます。別のセクションでベースラインが違うなら、そこでもAUTO MIXを実行してください。
キックとベースをワンクリックでミックスし、どの判断も元に戻せるようにしたいなら、Kick & Bass Auto Mixはまさにそのために作られています。
// ショート動画
短いクリップで見るミックス
同じ流れを短く見られます。処理前、ワンクリック、処理後。
// よくある質問
よくある質問
自動ミックスは耳の代わりになりますか?
なりません。数秒で、測定にもとづく出発点(音量、サイドチェイン、音色、モノラル化、位相)を用意するものです。そのあとも聴いて、A/Bで比べ、AMOUNTで量を調整するか、取り消します。最終的な判断は自分の耳で行ってください。
グルーヴやノートのタイミングは動きますか?
動きません。位相合わせは回転であって、タイミングをずらすものではないので、どのノートも打ち込んだ位置から始まります。サイドチェインが下げるのは130Hz以下のベースだけなので、グルーヴとして聴こえる部分は音量を保ちます。
どのジャンルでも使えますか?
テクノ、ハウス、ハイテク・ミニマル、サイケトランスなど、電子音楽の低域向けに作られています。測るのはキックとベースの関係で、ジャンルのスタイルではありません。キックとベースをわざとぶつける曲なら、AMOUNTを下げるか、使わないでください。
元に戻せますか?
はい。AUTO MIXボタンのXで直前のAUTO MIXを取り消し、前の設定に戻せます。最大16ステップまでさかのぼれます。AMOUNTを0%にしても、元のキックとベースに戻ります。
レイテンシーは発生しますか?
BASS側だけで約80msです。DAWが把握して補正します。KICK側は発生しません。前段のプラグインでレイテンシーが出る場合は、合計をPRE-LATENCYに入力するか、そのトラックを先にオーディオにバウンスしてください。
書き出すと何が手に入りますか?
分析した小節に切り出された、キックとベースの32ビット浮動小数点WAVです。聴こえている処理が入っており、2つでプラグインなしのミックスを再現できます。BASS TEXTURESとSTABSも、使っていれば同じように書き出せます。
// Kick & Bass Auto Mix
キックとベースをワンクリックでミックス
Kick & Bass Auto Mixは、位相、音量、サイドチェインをループに合わせて設定します。最終的な判断は自分の耳で行ってください。
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